Rolui ができるまで
Roluiができるまで。









イタリアの南西にある地中海最大の島、シチリア島。
シチリア島南東部にあるグランミケーレという町の西側にピニャターロ農園はあります。海抜500mのモンティイブレイという丘の上にあり、9.5ha(東京ドーム約2個分)の土地が広がっています。120年間家族5世代に渡り受け継がれてきました。そこには澄んだ空気と燦々と降りそそぐ力強い太陽の下に2000本ものオリーブの樹々が力強く生い茂っています。





左の写真のように7mの間隔をあけることでオリーブの樹が互いに干渉することなく、のびのびと育ちます。そしてシチリア島の力強い太陽と湧き上がる冷たい地下水、栄養分が豊富な肥えた土によってオリーブの樹はどっしりとした幹とたくさんの葉が横へ横へと広がるように生い茂っています。




ピニャターロ農園では化学肥料を一切使わず、オリーブの樹を育てています。シチリアの乾いた風と燦々と輝く太陽を浴びてゆっくりとその果実に栄養を蓄えていきます。また一般的に樹の成長を促す剪定も必要以上には行いません。生産者いわく『日が当たらないなら自分で当たるように成長するさ。』と自然の力を信頼した育成を行っています。




オーナーのラファエレさんは銀行を退職後、家族代々受け継がれてきた農園の規模を拡大し息子の名前より名付けた「ロルイ」ブランドを立ち上げました。毎日休むことなく農園に通い、愛情たっぷりにオリーブを育てています。20kgのタンク2つを軽々持ち上げる力持ちでもあります。

息子のルイージさんは農園経営全般を行い、ロルイブランドを国内外へと多くの人に広める役割を担っています。また訓練された鋭い嗅覚をもとにオリーブオイルを鑑定し、商品の品質を守るイタリア政府公認の鑑定士としても活躍しています。イタリアについて色々と私たちに教えてくれる紳士でもあります。






10月初旬から約10日間の収穫期間中は休むことなく、朝の7時~夕方の4時まで収穫作業が続きます。そして収穫した実はその日に搾油されます。収穫から搾油までを12時間~18時間以内に行うことで、オリーブオイルの新鮮な味わいを保つことができます。




素手と赤い熊手でオリーブを素早く摘み採っていきます。樹の幹近くに実っているオリーブは手を枝の奥へ奥へと突っ込みながら採るので、手が枝や葉で傷だらけになります。太陽の光が降り注ぐ中、暑さとまぶしさで汗

だくになりながら一粒も残さないように収穫します。また高くて手の届かない所の実は、箱の上に乗って採ります。



収穫した実を傷つけないように赤い箱に入れていきます。最初は手で、最後は網を使って移していきます。下を向きながらの作業なので体力を消耗し、とても大変です。





緑果を収穫することで…



オリーブが黒く完熟する前の緑果の時期に収穫することで、抗酸化成分であるポリフェノール類が多く含まれたオリーブオイルができます。このポリフェノール類はオリーブオイルの辛みや旨みのもととなるだけでなく、健康や美容にも良いとされています。また緑果を搾油することでオリーブの品種がもつ香りや味の個性がオリーブオイルにも反映され、異なる香りや味わいを楽しむことができます。ぜひ様々な品種のオリーブオイルを味わってみてください!







収穫したオリーブは収穫と同時に酸化が始まるため、急いで搾油所(フラントイオ)へと運びます。搾油所に到着したら、スタッフの手によってどんどん施設へと運搬されていきます。ロルイが搾油されている搾油所では、効率よく搾油を行うために予約システムを導入しています。また選別から搾油までの全工程を一貫して行うことができます。

搾油所のオーナーであるセバスチャン氏。
彼が経営するこの搾油所は、高品質のオリーブオイルを作る生産者のみが利用を許されています。最新の設備と最高の搾油技術をもったスタッフたちが揃ったこの搾油所でロルイのオリーブオイルは搾油されています。






トラクターでステンレス製の受け皿にオリーブを移します。そのすぐ下にはベルトコンベアーが設置されており、選別と洗浄の工程へと入ります。ここで枝や葉を取り除き、オリーブに付着した土などを綺麗に洗浄します。この際、オリーブは臭いが移りやすく、また熱で発酵が始まるデリケートな状態なので冷たい真水を使用します。



オリーブを上記写真の機械で粉砕していきます。この時、種ごと粉砕するか取り除くかを選択します。種を取り除くことで種の雑味が混じらずオリーブの果肉そのものの味をストレートに楽しめるオリーブオイルなります。また酸化にも強くなり抗酸化成分の含有地も高くなります。これらの理由から弊社は種を取り除く工程を選んでいます。



粉砕されたオリーブを全体が均一になるように練り込み、ペースト状にしていきます。練り込む時も熱はかけず、低温で行います。高温で練り込むと多量のオリーブオイルを搾ることができますが、発酵や抗酸化成分損失の恐れがあるためです。また酸素に触れると酸化が進みます。これを防ぐため機械内に窒素ガスを充填しながら練り込んでいきます。



ペースト状になったら27℃以下の低温で圧搾します(コールドプレス)。この圧搾によってオリーブオイルのもととなる液体分を取り出し、遠心分離機にかけます。そして遠心分離機によって、その液体分は水分とオイルに分かれます。上記左側の写真は3段階水平デカンターでという機械で、圧搾と分離が一度にできる最新の機械です。一度に行うことで、水分とオイルの接触時間が短くなり、より高品質なオリーブオイルにすることができます。



圧搾が終わるとエメラルドグリーンに輝くオリーブオイルが出てきます。この色はオリーブオイルの中に漂う細かいオリーブの果肉などが影響しています。またフィルターを通さないのでオリーブのもつ抗酸化成分や旨みが、そのままオリーブオイルになっています。そのため香りや味わいも格別です。
∗この搾りたてのオリーブオイルはノヴェッロ(Novello)と言われ、現地でしか味わえない特別なものです。油屋マルキチではノヴェッロを毎年受注販売しております。











この段階では、フィルターを通していないのでオイルには澱(おり)といわれるオリーブの果肉などが漂っています。この澱を自然沈殿させるために、グランミケーレの生産工場にある18℃~21℃に管理されたステンレス製のサイロで2ヶ月間ほど保管します。この自然沈殿の工程で私たちがよく見る黄金色のオリーブオイルに変化していきます。そして香りや味のバランスが全体的にとれた頃を見極めてオイルの上澄みだけをボトル詰めしていきます。



ノンフィルターオリーブオイルは自然沈殿の工程が必要になるので出荷までに時間がかかります。対してフィルターを通して搾りカスを濾過したオリーブオイルはすぐに製品として出荷することができます。


フィルターを使用することで、遠心分離機で取り残した細かい果肉が取り除かれてオリーブオイルは長期保存が可能になる上、短期間で出荷できるようになります。しかしフィルターによって、オリーブオイルに含まれている旨み成分やミネラル、ポリフェノールなどの栄養成分も一緒に失われてしまいます。



弊社はピニャターロ農園と取引きを始める際に、長期間保存ができるフィルターありか、それとも美味しさや栄養面が勝るノンフィルターかについて話し合いを重ねました。
答えはもちろん、輸入者としてのリスクをとっても私たちが現地で味わい感動したピニャターロ農園のオリーブオイルの味を知ってほしいという想いが上回り、ノンフィルターのオリーブオイルを選択しました。










オリーブオイルの香りや味のバランスが全体的に整ったら、ボトリング機械で1本ずつ慎重にオイルを詰めていきます。機械を用いているとはいえ、ボトル詰めも人の手で行われています。




一番左の写真は瓶の上部にキャップをはめた後、フィルムで包む作業をしています。オイルが漏れないように集中して封をしていきます。
右から3枚の写真はラベルを瓶の側部に貼っているところです。曲がらないよう細心の注意を払いながら行いつつ、貼ったら剥がれないように再度上から押します。またボトルにキズや汚れがないかの確認も同時に行います。




最終工程は梱包です。真っ白の箱にロルイのシールを貼り、1本ずつ隙間がないように詰めていきます。ここで不備がないかどうかの最終確認も行います。













会社がある東大阪にオリーブオイルが到着します。いつも何時に届くのかソワソワしつつ待っています。到着の連絡がくるとすぐに倉庫へ向かい、割れていないか数量は合っているかなど確認していきます。




1本ずつ瓶にキズや汚れ、ラベルの不備などがないか点検します。
点検に合格した瓶は光沢を放つまでしっかりと磨かれます。その後、日本語表記のラベルを曲がらないように貼ればロルイのオリーブオイルの完成です。


ここまでお読みいただきありがとうございました。
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